
4人に1人が高齢者という時代
一般に、国の総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合が14~20%以内であれば「高齢化社会」と呼ばれ、20%を超えると「超高齢化社会」とされています。
日本では、少子化が進んだこともあって1995年頃から高齢化社会に入り、2007年には65歳以上が総人口の21.5%となったことで、ついに「超高齢化社会」に突入したといわれています。
そして戦後のベビーブーム期に生まれたいわゆる「団塊の世代」がそろって65歳を迎えた、2013年の調査では65歳以上の人口は3,200万人弱となり、総人口比率が25%を突破したことで、日本国民の4人に1人が高齢者という時代になったのです。
「将来への不安」を感じる高齢者
高齢化に少子化が加わり、さらに医療の進歩によって平均寿命が飛躍的に延びたこともあって、日本の超高齢化は欧米先進国をはるかに上回るスピードで進行しているとも指摘されています。そして日本の超高齢化曲線は今後も上昇を続け、2042年には高齢者人口が3,900万人弱というピークを迎えてようやく人口減少に転じるとされています。
つまりこれからの日本は、数少ない若者が、数多くの高齢者の面倒を見なければならない社会になっていくということとなり、金銭面や労力面において若年層にはこれまで以上に大きな負担がかかる時代になっていくというわけです。
本来なら、長生きのお年寄りが多いことは大変喜ばしいことであり、国民の誰もが歓迎すべき状況であるはずなのですが、人口ピラミッドが極端な逆ピラミッド型の社会では、誰もが60歳近くになると「老いに対する不安」を感じざるを得ないというのが現在の日本社会の実情であり最大の問題点といえるでしょう。
進まぬ高齢化社会対策
政府の方も行財政や税制改革によって福祉政策を充実させ、高齢者が将来に不安を抱かないような社会を構築するための方策に着手してはいますが、「失われた20年」ともいわれる長引く不況からまだ完全には脱局できない現状では、即効性のある有効な手立てが策定できないというのが実情のようです。
さらに、少子化に伴う「核家族化」という社会構造が日本では1970年代から急速に進んだこともあって、ひとり暮らしのお年寄りの「孤立化」という問題も深刻化してきています。
特に都市部においては、昔ながらの日本の風習でもあった「となり組」的な地域と個人との結びつきが弱まってきていることも、高齢者の孤独感を高める一因ともなっています。
現代では、突然の死にいたる「脳梗塞」や「心筋梗塞」が高齢者の死亡原因の多くを占めてきています。このことから、一人暮らしの高齢者が誰にも気付かれずに死去する「孤独死」(「孤立死」)という事態も大きな社会問題としてクローズアップされてきています。
日本社会の発展に多大な貢献をした人々が、孤独な死を迎えるという悲惨な状況を無くすために、我々ができることは何なのかを、今こそ真剣に考えるべき時なのではないでしょうか?
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