
現代は社会構造が昔から変化し、核家族世帯や高齢者の単身世帯が増加しています。そのため、「身内がアパートで孤独死をした」という事例も少なくありません。孤独死をしてから発見までに長く時間が経過した部屋は、ご遺体から流れた体液や放たれる強い死臭(腐敗臭)によってひどい有様になっているケースがほとんどです。時期やお部屋の状況によっては2〜3日で部屋全体、ひどい場合には部屋・家屋の外にまで悪臭が広がってしまうことも。
孤独死されてしまった方が賃貸物件に住まわれていた場合、大家さんや不動産会社から原状回復を求められます。また分譲物件の場合も、再度入居可能な状態に復旧するために特殊清掃を行う必要があります。
今回は孤独死現場の原状回復、復旧作業についてです。
「原状回復」とは、賃貸物件を退去する時に、部屋の状態を契約時(入居時)のように戻すことを言います。孤独死現場など特殊清掃が必要とされる場合においては、「他の人がその部屋に問題なく住める状態」を指します。
孤独死現場の原状回復にあたって目指されるレベルは大まかに以下です。
これらを満たすために必要となる作業が下記です。
孤独死現場を原状回復するにあたって、必要となる作業の内容をそれぞれ見ていきます。
「特殊清掃」とは、孤独死や事件、事故、自殺、病気などにより入居者が室内で亡くなり、物理的・心理的な面から通常の対応が困難な場所を、専用の器具・洗剤を使用して行われる清掃のこと。
ご遺体の発見が遅れるほど、腐敗が進み体液が床や壁に染み込んだり、腐敗臭が部屋中に染み渡ってしまい、通常の掃除では取り除けません。また、臭いやえさにつられた害虫や害獣が大量に発生していることもあります。そうなると現場の後片付けは個人の力で完全に行うことは難しくなり、通常、特殊清掃の専門業者に依頼します。
・害虫、害獣駆除
ほとんどの孤独死現場ではハエやウジ、ゴキブリなど害虫が発生します。ハエやうじは繁殖スピードが速いため、発見日数が遅れるとその数は膨大なものとなります。害虫は清掃の妨げになるほか、近隣の家屋にまで行動範囲を広げたり、人体に悪影響を及ぼします。清掃作業に入る前に、専用の殺虫剤や燻煙剤などを使用し、害虫を徹底的に駆除します。
・汚染物の除去
血液や体液が付着し汚染された布団や家具などを撤去し、床や壁に残る体液などの汚染物を清掃します。カーペットや畳・フローリング・壁紙まで体液などが飛んで染み付いている時は、汚染箇所を剥いで床下や壁の汚れも徹底的に清掃していきます。
・解体・リフォーム
体液が床下や壁の内部まで浸透してしまっている場合には、汚染箇所を取り除くために解体作業をします。紙やクロスなどを撤去して下地を清掃・張り替え、フローリングを撤去して床下の清掃を行い、汚染箇所を切り取り同じ厚さのベニヤ板で補修したりなどの作業が行われます。また、トイレやお風呂などで亡くなっていた場合は、浴槽や便器を取り替えるためリフォームがなされます。
孤独死の場合、部屋の中は故人が生きていた状態のままであることがほとんどです。原状回復では部屋を入居時の状態に戻すため、家具や家電などの残置物を片付ける必要があります。そのため、特殊清掃を行うかどうかにかかわらず、家財道具の整理や不用品処分、遺品整理は必須の作業となるでしょう。
・必要品と不要品の仕分け、貴重品の捜索
遺品整理は必要品と不用品の仕分けから始まります。遺品の中には貴重品がある場合も多く、万が一捨ててしまわないよう他の必要品と分けます。
・家財の搬出
家具の分解作業、梱包した遺品の搬出を近隣住民や交通の迷惑にならないよう配慮しながら搬出します。引っ越しと同じように養生をし、家財を搬出していきます。戸建の二階などの場合は、窓から吊り下げて搬出することもあります。
・不用品・粗大ごみの処分
孤独死などが起こった現場では、遺品以外にごみや不用品が大量に出てきます。
現場に残された遺品には死臭が染み付いているため、本当に手元に残しておきたいもの以外はなるべく処分してしまうことが推奨されています。なお、通常のごみと同じように収集場所に放置していると害虫を引き寄せてしまうため、強い悪臭を放つ物は業者に回収してもらうのが良いでしょう。ただ捨てるのがしのびないということでしたらお焚き上げなど遺品供養がおすすめです。
孤独死の現場であればご遺体の体液や異臭が床下や柱、壁紙の下地まで付いてしまっていることがほとんど。死臭は強烈な匂いで、表面だけ掃除したとしても匂いは残ります。かといって、一般的な消臭剤や芳香剤や空気清浄機などでは消臭できません。消臭作業が確実に行われていないと後日悪臭が戻ってくることもあり、やり直ししないといけないケースも。
・オゾン消臭
特殊清掃では、オゾン脱臭器を使用した消臭作業が行われます。「オゾン脱臭器」とは、酸化作用を利用して臭気成分を分解・除去するもので、死臭に対してかなり有効です。根本的なにおいの原因を除去して脱臭する効果があり、ほとんどの異臭を取り除くことができます。
また、オゾンには脱臭以外にも細菌やウイルスの除去、虫の忌避、花粉の不活化などの効果があります。オゾンは殺菌力が強いため、菌を不活化させることで作業時の感染症リスクを抑えることが可能です。
・消臭工事、リフォーム
孤独死現場の場合は、アパート孤独死での原状回復としては「消臭工事・リフォーム」が行われます。腐敗化が進行し、血液や体液が壁や床の奥まで浸透している場合は解体作業を行う必要があります。表面の汚れを落とすだけでなく、内部に残った汚れを清掃しなければ完全に消臭することは不可能です。
壁紙やクロスなどを撤去して下地を清掃・張り替え、畳やフローリングを撤去して床下の清掃を行い、汚染箇所を切り取り同じ厚さのベニヤ板で補修したりなどの作業が行われます。
壁の下地には石膏ボードが使われていることが多いですが、この石膏ボードは臭いを吸収しやすいため新しいものと取り替えます。
・コーティング消臭
上記のオゾン脱臭や消臭工事・リフォームだけでは取りきれなかった場合や、臭いがきつくても解体ができない部分は、専用の塗料を塗って匂いを封じ込める「コーティング消臭」作業が施されます。
壁紙だけでなく、中のモルタル(石膏ボード)や床下のコンクリートなども交換したり、削り取ります。何度も洗浄した上でコーティングを施し、上から特殊な防臭剤を塗布することで、臭いを閉じ込めます。
いかがでしたでしょうか?
今回は孤独死現場の原状回復、復旧作業についてまとめてきました。孤独死は現代では年齢や性別に関わらず、誰に起きてもおかしくない問題です。
弊社ロードでは、生前整理や遺品整理、家財整理のほか、特殊清掃、消臭・消毒、害虫・害獣駆除、遺品買取など幅広いご依頼に対応しております。難しい現場でも多くの特殊清掃をしてきた実績を持ち、日本脱臭協会より技術者認定所や、事件現場清掃センターより感謝状・優良店認定を受けております。特殊清掃の技術はもちろんのこと、遺品整理から除菌と消臭までしっかりと行えるノウハウの蓄積もございます。
対応エリアは関東1都4県【東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県】、関西2府4県【京都府・大阪府・滋賀県・奈良県・兵庫県・和歌山県】。一部対応していない地域もございますが、臨機応変に対応いたします。
お困りのこと、不安なことがあれば、プロである弊社がサポートいたしますのでお問い合わせください。そのほか、ロードでは、家財整理から不用品の回収、ハウスクリーニング、消毒作業などを承っております。不用品の中で買取できるものがあれば、お値引きすることも可能。清掃・消毒作業や不用品回収等をご依頼、ご検討の方は、ぜひロードまでお問い合わせ下さい!
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配・・・などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP(繊維強化プラスチック)等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。