
誰にも知られず亡くなり、死後に発見される「孤独死」についての話題が取り上げられる機会が増えています。
孤独死というと、身寄りがない一人暮らし高齢者を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?実際、高齢者の方の孤独死は多いですが、若い世代にも無関係ではありません。
今回は孤独死の現状や自治体の取り組み、および残された部屋の片付けについてまとめました。
「高齢社会白書」によれば、東京23区内で発生した65歳以上の孤独死とみられる件数は、最新データの2020年で4238件。これは前年より302件多く、9年連続で増加しています。過去10年で最少だった2011年と比べ、およそ1.6倍の増加となりました。一人暮らしの高齢者が以前より増えていることが、右肩上がりで推移している一因と見られています。
ただ、孤独死は決して高齢者だけの問題ではありません。
日本少額短期保険協会孤独死対策委員会の「第7回 孤独死現状レポート」によれば、現役世代(20~60歳)の孤独死件数が全体の40%にのぼることがわかります。
※「第7回 孤独死現状レポート」では孤独死の定義を「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った独り暮らしの人」としています。
また、孤独死者の平均年齢は約62歳と男女とも平均寿命より大幅に若い段階で死を迎えています。孤独死は全世代にわたる大きな問題といえます。
孤独死の死因について明確になっている事例のうち、一番高いのは病死、次に自殺となっています。「自殺」による孤独死者は全体の10.9%となっています。
男女別の自殺割合では女性の方が自殺率が高くなっており、この傾向は第1回レポート以降変わらないそう。性別・年齢別にデータを比較すると、20代女性の自殺による孤独死者の数が多く、その割合は39.2%と約4割を占めています。
「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」(厚生労働省)では、全国民の全死因のうち自殺の占める割合は1.4%であり、このデータと比較すると孤独死に占める「自殺」の割合は非常に高いことがわかります。
高齢者だけではなく、若い年代を含む幅広い世代にとっての問題である孤独死に関して、各自治体で対策が行われています。
地域住民および、郵便局やライフライン事業者、新聞・牛乳配達などの事業者と連携しながら、見守り活動が行われています。活動に取り組むことで、迅速な安否確認や緊急連絡、救護を可能とする仕組みが構築されています。
・栃木県「栃木県孤立死防止見守り事業(とちまる見守りネット)」:県と県民生委員児童委員協議会、県警察本部が連携して孤立死防止見守り活動を実施
・埼玉県さいたま市「要支援世帯の早期発見のための通報等ガイドライン」の作成:事業者が、要支援世帯を早期に発見・通報できるよう、基準や手順などを定めた本市独自のガイドラインを全国に先駆けて作成
・大阪府豊中市「安否確認ホットライン事業」:住民及び事業者等が住民の異変に気付いた場合に、その情報を確実に市に届けてもらえるよう専用窓口を新設
・滋賀県野洲市「生活弱者発見 緊急連絡プロジェクト」:不動産管理会社の協力の下、家賃滞納や新聞・郵便物が溜まる等の情報から助けが必要な生活弱者をいち早く発見し、行政サービスへつなげ、生活再建を進めることを目的とする事業
※参考:厚生労働省「孤立死防止対策」
また、死亡後に速やかに必要な手続きが取れるよう、終活支援を含む対策に乗り出した自治体も出てきています。
なかでも早くから取り組んでいるのが神奈川県横須賀市。横須賀市は2018年から、「わたしの終活登録」事業を開始しています。これは終活ノートや遺言書の保管場所、葬儀の生前契約先、お墓の所在地など、死亡後の手続きで必要となる情報を無料で登録しておくものです。
※参考:横須賀市「わたしの終活登録」
そのほかの自治体でも終活支援事業が進められています。
それでは、実際に孤独死が起きてしまった場合、部屋の片付けや遺品整理はどうすればよいのでしょうか?
一般的には、孤独死により亡くなった方に最も近しかったり、親しい間柄だった親族の方が、遺品整理などの片づけをすることが多いです。
ただし、原則として遺品整理は相続人となる人に義務が発生します。誰が相続人になるかは、遺言で指名された場合はその人になりますが、遺言がない場合は「法定相続人」に遺品整理の義務が発生します。
または話し合いで遺品整理をする人を決める場合もあります。遺品整理は義務なので、担当することになった場合は放棄できません。
孤独死してしまった方に遺族がいれば、その方が相続人となり遺品整理等をおこなうことになります。では、亡くなった人に身寄りがなく相続人がいなかった場合、誰が部屋の片付けや遺品整理をしてくれるのでしょうか?
身寄りの無い方の火葬については国や地方自治体が対応してくれますが、遺品整理や財産整理などは基本的に一切行ってくれません。
例外的に公営住宅の住人が亡くなり住宅に遺品が残されている場合は、公営住宅の管理者として遺品の管理を行います。また、生活保護を受けていた方が亡くなった際は、葬祭扶助などの費用充当の関係から遺品の整理に関わる場合もあります。
身寄りのない方の遺品の管理を自ら行うこととした市町村もあります。
【ケース1】
身寄りのない単身者の遺品整理への対応のため、遺品整理の事業協同組合と協定を締結。家屋や遺品の状態から問題発生のおそれがあるか市町村と組合とで検討・協議し、おそれがあると判断された場合は、市町村の費用で組合に遺品整理を依頼。
【ケース2】
身寄りのない生活保護受給者の遺品については、故人が借家に住んでいた場合、原則大家に対応するように求めている。大家での対応が困難な場合は、やむなく市町村で対応することとしている。事業者に委託するための予算を毎年度約15 万円程度設定しているが、遺品整理を行うときは、遺品の量と予算を勘案し、職員自らが作業をすることも。
※参考: 総務省「地方公共団体における遺品の管理に関する事例等(令和2年3月)」(PDF)
賃貸物件で孤独死が起き、故人に身寄りがない場合、多くは大家や不動産管理会社が部屋の片付けを行っています。
ただ、亡くなった人に身寄りがなく相続人がいなかったとしても、財産を勝手に処分してはなりません。遺言状や死後事務委任契約を締結している場合は、書状に基づき処理されます。これらが一切なく、相続人がいない財産を管理処分を希望する際は、「相続財産管理人」の選任の申立てが必要です。
相続財産管理人とは、被相続人である故人に相続人がいないとき故人が生前に精算しきれなかった借金等を支払い、清算後に残った財産を国庫に帰属させる人のこと。不動産管理会社や大家といったステークホルダー、または検察官の請求によって、家庭裁判所が選任します。
賃貸物件の解約や遺品整理は、選任された相続財産管理人が行います。遺品整理が終了した後、アパートの未納費用や借金などの負債を、故人の財産から弁済します。弁済後、残った所有者のいない財産については、国庫へ帰属されます。
なお、民間同士の賃貸借契約であれば弁護士や警察と相談のもと管理者による処分が許された例もあります。故人に身寄りがなく相続人がいないようであれば、弁護士や警察に相談してみるのも良いでしょう。
孤独死が発生した現場は、床や壁、遺品などに血液や体液が付着していることが多く、物理的・心理的な面から通常の清掃では対応が困難となります。そのため、特殊清掃を専門とする業者に依頼して原状回復してもらうのが一般的です。これは相続人がいた場合にも当てはまります。
なお、相続人や連帯保証人がいない場合の原状回復にかかる費用は、全て管理者が負担することになるのが基本です。現在はアパートやマンションの住人の孤独死により生じた、金銭的損害を補償する「孤独死保険」があります。
いかがでしたでしょうか?
今回は孤独死の現状や自治体の取り組み、および残された部屋の片付けについてまとめました。
孤独死は現代では年齢や性別に関わらず、誰に起きてもおかしくない問題です。
生きているうちに葬儀や遺品などについて、手続きを進めるいわゆる「終活」をする方も増えています。その支援に乗り出す自治体も出てきています。
葬儀や死後の手続きについては、生前に依頼できる死後事務委任契約があり、弁護士、司法書士、行政書士と契約することができます。
また、亡くなる前に持ち物を整理しておく「生前整理」をすることで、死後の片付けの負担を減らせます。生前生理は持ち物の量を減らし、怪我や事故を防いで老後を暮らしやすくする効果も期待できます。生前整理も業者に依頼することができ、いろいろなケースを経験してきたプロの目線から助言ももらえます。
弊社ロードでは、生前整理や遺品整理、家財整理のほか、特殊清掃、消臭・消毒、害虫・害獣駆除、遺品買取など幅広いご依頼に対応しております。難しい現場でも多くの特殊清掃をしてきた実績を持ち、日本脱臭協会より技術者認定所や、事件現場清掃センターより感謝状・優良店認定を受けております。特殊清掃の技術はもちろんのこと、遺品整理から除菌と消臭までしっかりと行えるノウハウの蓄積もございます。
対応エリアは関東1都4県【東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県】、関西2府4県【京都府・大阪府・滋賀県・奈良県・兵庫県・和歌山県】。一部対応していない地域もございますが、臨機応変に対応させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。
お困りのこと、不安なことがあれば、プロである弊社がサポートいたしますのでお問い合わせください。そのほか、ロードでは、家財整理から不用品の回収、ハウスクリーニング、消毒作業などを承っております。不用品の中で買取できるものがあれば、お値引きすることも可能。清掃・消毒作業や不用品回収等をご依頼、ご検討の方は、ぜひロードまでお問い合わせ下さい!
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配・・・などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP(繊維強化プラスチック)等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。