
近年、社会的な課題として注目されている「孤独死」。少子高齢化や社会構造の変化が著しく進み、独居老人が増えたことで自宅でひとり亡くなっていく「孤独死」の数が、増加傾向にあるといいます。世界的にも対策が取られており、日本でも内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が設置されました。
孤独死は、ご遺体発見までに時間がかかることが多く、その間にご遺体の腐敗や損傷がかなり進んでしまっているケースも少なくありません。同時に部屋へのダメージも大きくなっていることも多数。
特に暑い夏は冬場に比べると、ご遺体の損傷の進み具合が格段に早まってしまいます。それだけではなく、孤独死は比較的夏に多く見られるという調査結果もあります。
今回は夏場の孤独死についてと、夏だからこそ発生する死因について見ていきます。
残念なことに、孤独死は年間を通して発生しています。「第6回 孤独死現状レポート」によると、季節毎の孤独死者数は大きく変化が見られませんが、単月ベースでみると7月・8月に多い傾向がわかります。
これは「熱中症」など、夏場に多く見られる病気・体調不良の発生リスクが高くなることが要因だと考えられます。特に熱中症は屋外だけではなく、室内でも発生し得ます予兆がなく突発的にかかる病であるため、孤独死につながりやすい病気のひとつと言えます。
夏場の孤独死現場は、冒頭でも触れたようにご遺体の腐敗が早くなる傾向にあります。気温が高いほどご遺体の腐敗進行状況が早やまり、基本的に夏場であれば2~3日、冬場でも5~7日程度で遺体から死臭が出てくるとされています。そして、死臭が発生してから数日経つと「腐敗」と呼べる状況になります。夏は数日、冬は最長1カ月、平均2週間で腐敗するとされています。
ただ、夏場といえど以下のような条件で、死臭の発生や腐敗の進行は変わってきます。
1)クーラー・扇風機・その他の冷房をつけていたか
2)直射日光の当たる場所だったか
3)夏の気温が高い地域だったか、低い地域だったか
腐敗が進めば死臭が強まったり、血液などが部屋の床や壁に染み込んでしまったり、害虫の発生の原因となったり、様々な二次被害が発生してしまいます。
夏場は孤独死の件数は増加しやすいことがわかりました。それでは、夏場に孤独死につながりやすい病気とはどんなものがあるのでしょうか?
夏に起こる病気といえば一番に思い浮かぶだろう「熱中症」は、孤独死につながりやすい病気といえます。
上記でも少し触れましたが、屋外で起こりやすいイメージのある熱中症、実はその発生現場の多くは自宅。令和3年(6月から9月)の熱中症による救急搬送状況(消防庁)によると、発生場所は「住居」が39.4%と最多。過去5年の動向を見ても住居が全体の4割を占めています。
そして、夏(6~8月)の平均気温の上昇とともに、熱中症による死者数も2000年代後半から増加傾向にあります。多い年で年間約1,700人が熱中症で亡くなられており、令和2年での死者数は1,528人となっています(出典:厚生労働省「年齢(5歳階級)別にみた熱中症による死亡数の年次推移(平成7年~令和2年)」)。
熱中症による死者数は、高齢であるほど多い傾向があります。上記調査を見てみると、40代以上から死者数が増加していますが、65歳以上からはその数が大幅に多くなることがわかります。令和2年の死者数のうち、65歳以上の高齢者の割合は、なんと86%。
熱中症は筋肉量が減っていると発生リスクが上がるとも言われており、熱中症による死者が高齢者に多いのは、加齢による身体の衰えも要因と考えられます。また、高齢者の場合は、高齢になるにつれて暑さを感じにくくなることに加え、冷房で体が冷やされることが苦手という方も多数。冷房の使用を避けたり、日常的に使用する習慣がなく、若年者よりも高温多湿な環境で暮らしていることも要因だと言えるでしょう。
<対策>
熱中症は症状が深刻なときは命に関わります。正しい知識があれば予防できますので、自分でできる熱中症対策を心がけましょう。
■こまめな水分補給
室内でも、屋外でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分・塩分、スポーツドリンクなどを摂取する
■室内での対策
・扇風機やエアコンで温度を調節
・遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用
・室温をこまめに確認
・部屋の風通しを良くする
・WBGT値も確認
※WBGT値:気温、湿度、輻射(放射)熱から算出される暑さの指数のこと。運動や作業の度合いに応じた基準値が定められている。
■屋外での対策
・日傘や帽子の着用
・日陰の利用、こまめな休憩
・天気の良い日は、日中の外出をできるだけ控える
■からだの蓄熱を避けるために
・通気性の良い、吸湿性・速乾性のある衣服を着用する
・保冷剤、氷、冷たいタオルなどで体を冷やす
・涼しい場所・施設を利用する
(出典:厚生労働省|熱中症予防のための情報・資料サイト)
環境省と気象庁から「熱中症警戒アラート」が発信されています。これは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動をとるよう促すためのもの。こちらを活用して、熱中症の予防をしましょう。
「食中毒」はお店で発生するものと思われるかもしれませんが、実は家庭でも発生します。ご家庭だと症状が軽かったり、発症する人が1人だったりすると、風邪や寝冷えなどと思われがち。食中毒は主に腹痛や下痢、嘔吐や吐き気などの症状がありますが、食中毒とは気づかれず重症化したり、死亡したりする例も。
食中毒の原因は様々ですが、主な原因は細菌で、平成29年~令和3年での原因物質別食中毒件数の36.0%を占めます。食中毒を招く細菌は、増殖していたとしても、食べ物の見た目や味は変わらず、匂いもしないため、気づかないうちに食中毒となっていることも。
特に、梅雨時期(5月~6月)と夏(7月~9月)は気候が暖かく、湿気が多くなり、細菌の増殖が活発になります。中でも、食肉に付着しやすい「腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)」や「カンピロバクター」、食肉や卵に付着する「サルモネラ」による食中毒の発生が目立ちます。
<対策>
食中毒は原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。そのため。細菌による食中毒を予防するためには、次の3点が原則になります。
そして、以下のポイントに注意して、食中毒を予防しましょう。
■食材の購入・保存
・消費期限などを確認する
・肉や魚は汁が漏れないよう注意して一つひとつをビニール袋に入れ、できれば氷や保冷剤と一緒に持ち帰る
・帰宅後すぐに生鮮食品は冷蔵庫(庫内10度以下)、冷凍食品は冷凍庫(庫内マイナス15度以下)へ入れる
・冷蔵庫や冷凍庫は詰め込みすぎない
■下準備・調理
・作業の前に石けんで丁寧に手を洗う
・台所は清潔に保つ
・ふきん・タオル類は、頻繁に清潔なモノと交換する
・野菜は流水できれいに洗う
・生の肉や魚、卵をさわった後は丁寧に手を洗う
・肉や魚は中まで十分に火を通す(中心部の温度75度で1分以上加熱)
■食事
・食べる前に石けんで手を洗う
・清潔な食器に料理をもりつける
・温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べる
・料理は長時間室温で放置しない
■残った食品の扱い・後片づけ
・残った食品は小分けにし、清潔な容器に保存する
・ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てる
・調理に使ったまな板・包丁は必ず洗って熱湯消毒する
・スポンジは洗ってからよく水切りする
(出典:厚生労働省|食中毒)
いかがでしたでしょうか?
今回は夏場の孤独死についてと、夏だからこそ発生する死因について見てきました。熱中症も食中毒も、正しい知識を持って対策を施すことで、発症を予防することができます。万が一、症状が出た時は、迅速に病院を訪れたり連絡するようにしましょう。また、一人暮らしの場合は、何かあった時のため、ご家族などとすぐ連絡を取れるようにしておきましょう。
自分の体調の変化に気を付けて行動するとともに、周囲の人ともお互いに気を配り、呼びかけあって、夏ならではの病気・体調不良の対策をして、暑い夏を乗り越えましょう!
弊社ロードでは特殊清掃や消毒・除菌作業を承っており、ほかにもごみの処分などを含む総合的なハウスクリーニングから、家財整理、害虫駆除など幅広くご依頼を承っています。当社では、難しい場面での特殊清掃のご依頼も対応しており、そこで培った知識・経験を活かし、様々な場面での清掃に幅広く臨機応変に対応しております。お見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
ロードでの対応エリアは関東1都4県【東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県】、関西2府4県【京都府・大阪府・滋賀県・奈良県・兵庫県・和歌山県】となっております。一部対応していない地域もございますが、臨機応変に対応させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。
ロードでは特殊清掃のほか、家財整理から不用品の回収、ハウスクリーニング、消毒作業などを承っております。不用品の中で買取できるものがあれば、お値引きすることも可能。清掃・消毒作業や不用品回収等をご依頼、ご検討の方は、ぜひロードまでお問い合わせ下さい!
(参考サイト)厚生労働省|熱中症予防のための情報・資料サイト
(参考サイト)厚生労働省|食中毒
(参考サイト)農林水産省|食中毒は年間を通して発生しています
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配・・・などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP(繊維強化プラスチック)等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。