
火事・火災は一年通して発生しており、自然発生、人為的・意図的なもの関わらず、いつ自分の身に降り注ぐかわからないもの。2020年の総出火件数は、34,691件で、おおよそ1日あたり95件の火災が発生したことになります(総務省消防庁「消防統計」)。そのうち、建物火災が19,365件(うち住宅火災10,564 件)、林野火災が1,239件、車両火災が3,466件、船舶火災が78件、航空機火災が0件、その他火災が10,543件となっています。
また、悲しいことに火災により亡くなってしまう方も出ています。2020年の放火自殺者等を除いた住宅火災による死者は899人、そのうちの645人(71.7%)が65歳以上の高齢者でした。
特に乾燥している季節だと、ちょっとした火種からすぐに燃え広がって大火事に発展してしまうこともしばしば。調理中にこんろから少し目を離したり、こんろやストーブなど火の消し忘れ、寝たばこに間違った電気機器の使い方など……、普段の生活の中でもやってしまいがちな小さな気の緩みや油断が、大きな火事をもたらす可能性があります。
今回は火事や火災の出火原因についてです。
2020年の総出火件数を出火原因別にみると、「たばこ」が3,104 件(8.9%)で最多、次に「たき火」2,824 件(8.1%)、「こんろ」2,792 件(8.0%)、「放火」2,497 件(7.2%)、「火入れ」1,684 件(4.9%)の順で続いています。
建物火災に着目してみると「こんろ」2,735件(14.1%)、「たばこ」1,858件(9.6%)、「電気機器」1,228件(6.3%)、「放火」1,149件(5.9%)、「配線器具」1,062件(5.5%)の順となっています。
放火及び放火の疑いによる火災は、2020年では4,052件で、全火災の11.7%を占めます。例年、出火原因の高い割合を占め、以前変わらぬまま。放火は自分ではどうしても防げないもので、消 防庁でも放火防止に対する取り組みがなされています。
しかし、他の出火原因については日頃から注意していれば防げるもののばかり。下記からは各々の火事・火災の詳しい原因や防止策を見ていきます。
毎年、た火災の出火原因の中で最多となっているのがガスこんろや電気こんろ等の「こんろ」です。2020年は前年と比較してこんろ火災件数の増加が見られましたが、その一因として、コロナ禍における外出自粛に伴い在宅時間とともにガスこんろ等の使用機会が増えたことが考えられます。
2020年、建物火災でこんろが原因のものは2,735件、「天ぷら油」に着火して火災に至った件数が最も多くなっています。油かすやごみくずの「くず類」、身に付けている衣服に着火した「着衣着火」の件数も多くなっています。
こんろ火災が発生する要因として、主に「火をつけたまま放置し忘れること」「くず類などの可燃物がこんろの火と接触すること」が挙げられます。
こんろ火災を防ぐためには、下記を心がけましょう。
・調理中にこんろから離れず、離れる場合にはこんろの火を必ず消すこと
・こんろ周りの整理整頓や清掃も心がける
・特に袖が長い服を着用している時は、裾や袖に火がつかないよう注意する
また、異変をいち早く感知する火災警報器の設置や、自動消火機能などがついた安全装置付きこんろなどがあれば、さらに安心です。
たばこ火災は、例年出火原因の上位となっています。そして、2020年の死者の発生した建物火災における火元出火原因別死者の発生状況では「たばこ」が151人(14.3%)と最も多くなっています。
死亡する危険性の高いたばこ火災、発生する原因としては、以下のようなものが挙げられます。
【不適当な場所に捨てる】
・消えたのを確認せずに室内のごみ箱に捨てたことにより出火
・消えたのを確認せずにビニール袋に混入させ、ごみ置場に出してしまったため出火
・河川敷や空地などでたばこの吸い差しを投げ捨てたため、枯葉等に燃え移り出火
【火源が落下する】
・くわえたばこで室内を動き回って、火種が布団やカーペットに落下したことに気付かず外出したため、出火
・灰皿に置いたたばこが落下したことに気付かず、布団や紙類に着火し出火
炎のないところから火災は発生しません。布団や畳、枯葉などにたばこの火種が落ち、燃え広がることでたばこ火災がおきます。そしてたばこ火災には、炭を出さずに炭化が進む「無縁燃焼」という特徴があり、徐々に燃え広がって、空気の流動など条件が整うと一気に燃え上がります。また、長い時間にわたって炎が出ない状態のため、燃えていることに気付きにくく、密閉された空間では、人体に有毒な一酸化炭素を発生させることもあります。こうしたことから死亡リスクが高いと考えられます。
たばこ火災を防ぐためには、下記を心がけましょう。
・灰皿代わりにペットボトルなどを使わない
・灰皿内に吸い殻を溜めないようにこまめに清掃する
・たばこを捨てる時は確実に火を消し、確認を怠らない
・吸い殻をポイ捨て・ごみ箱などに直接捨てない
たばこによる火災は、火災になる前に多量の煙が発生して、発煙から発火まで時間がかかります。発火する前に火災に気付けば火を消すことができますので、少しでも早く火災に気付くため住宅用火災警報器を設置すると安心でしょう。
電気機器は私たちの生活を便利にしてくれるため、欠かせないものとなっています。しかしその一方で、電気や電気製品に関わる火災は毎年、多数発生していることが確認されています。近年では後期高齢者の電気火災による死者数が増加傾向にあり、電気ストーブによる火災での死者の多くが後期高齢者です。
電気火災の発生要因には「短絡」「過負荷」「半断線」「トラッキング」「漏電」「接触不良」などがあげられます。「トラッキング」現象による火災とは、コンセントに長期間電源プラグを差し込んだままにしておくと、コンセントとプラグとの隙間にほこりが徐々にたまっていき、このほこりが湿気を帯び、電気が流れて発火することで起こるものです。トラッキング現象はいつ発生するかわからないため、就寝時や不在時に発生する可能性もあります。使用しない時はスイッチを切った後コンセントを抜くようにしたり、コンセント周りをこまめに掃除することで万が一の家事を防ぎましょう。
また電気火災は、ストーブや電子レンジなどを誤った使い方で使用したために発火したり、ストーブやこたつ等の消し忘れ、電気機器の長年使用による劣化故障など……、普段からの生活で気をつけることで防げるものが多いです。電気火災を防ぐためには、下記を心がけましょう。
・発熱する家電製品の周りに燃えやすいものを置かない
・電熱器のスイッチは必ず消す
・タコ足配線をしすぎない
・コンセント部分のホコリをこまめに掃除する
・機具の使用後は、スイッチを切ってコンセントからプラグを抜いておく。
・電源プラグやコードが熱くなっているときは、使用をやめ電気店に点検してもらう
電気火災は家電製品を正しく使うことや、スイッチやコンセントに注意を払い、故障や不具合を早めに発見することで防ぐことができます。日頃から気をつけて、電気機器を使用するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は特に建物火災で多い出火原因について見てきました。いずれも日頃から注意しておくことで、防げるものばかりです。火事や火災が、自分の身に降りかかる可能性は必ずしもゼロではありません。大事な家屋や家財だけではなく、命をも奪いかねない火事・火災を防止するためにも、常日頃から火事や火災に意識を向けておきましょう。
なお、不幸にも火事が発生してしまった場合、部屋の掃除・片付けは業者に依頼することがオススメです。火災が発生するとまず大量の煤が発生するため、火事後の清掃ではこの煤の除去に悩まれる方が多いです。また、煤から発生されるいわゆる「焦げ臭さ」も悩みの一つとなります。
程度によっては個人の力だけで対応可能ですが、個人で煤の掃除を行うには時間や体力が必要で、かつ煤の範囲が広い場合は完全に煤除去・消臭を自力だけで済ますのは難しいといえます。「煤汚れ」「焦げ臭さ」がひどい場合は、部屋の全面リフォームも視野に入れつつ、業者に頼むことで煤による汚れや臭いを確実に取り除く方法が一般的です。
弊社ロードでも、火災現場の消臭・清掃・復旧作業についても、ボヤから大規模火災まで対応しております。難しい現場でも多くの特殊清掃をしてきた実績を持っていますので、積み重ねてきた技術と知識を駆使して、迅速にそして丁寧に作業させていただきます。ボヤ程度から大規模火災まで迅速に復旧できるよう手続きのアドバイス含め、最後まで精一杯お力になります。
ロードでの対応エリアは関東1都4県【東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県】、関西2府4県【京都府・大阪府・滋賀県・奈良県・兵庫県・和歌山県】となっております。一部対応していない地域もございますが、臨機応変に対応させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。
火災にあわれたとき、突然のことで少なからず動揺されていると思います。お困りのこと、不安なことがあれば、プロである弊社がサポートいたしますのでお問い合わせください。そのほか、ロードでは、家財整理から不用品の回収、ハウスクリーニング、消毒作業などを承っております。不用品の中で買取できるものがあれば、お値引きすることも可能。清掃・消毒作業や不用品回収等をご依頼、ご検討の方は、ぜひロードまでお問い合わせ下さい!
(参考サイト)消防庁|消防統計(火災統計)
(参考サイト)東京消防庁|STOP!こんろ火災(PDF)
(参考サイト)川崎市|たばこ火災を防ぐために
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配・・・などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP(繊維強化プラスチック)等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。