
冬が近づいてくると、寒さとともに空気の乾燥も感じるようになってきます。湿気の多い時期に比べ、カラッとした空気は過ごしやすく、洗濯物が乾きやすかったり、部屋の換気にちょうど良かったりとメリットがあります。しかし一方で、乾燥が進むとお肌や健康にトラブルが出たり、火事の発生リスクが上がるという危険性もあるのです。
令和2年の冬季(1月・2月・12月)の火災発生は全体の約3割弱(9,509件)で、最も多い春季の次点となっています(消防統計)。水分を多く含むものよりも、乾燥しているものの方が燃えやすいもの。空気が乾燥してくると植物も、建物や家具の水分量も少なくなり、乾燥します。そして空気が乾燥する時期はちょっとしたことが、大きな火災につながりやすくなるのです。
一瞬で大事な家や家財、時として命をも奪うことのある火災。普通に生活しているとあまり実感が湧きませんが、火災はいつ誰でも遭う可能性がある災害なのです。今回は、実際に火災被害にあった際の後始末の方法について、火災状況ごとの掃除や片付けについて見ていきます。
火災後、自分でできる後片付けは主に以下の4つ。
①煤掃除
②換気・消臭
③貴重品などの回収・保管
④不用品の処分
ただし、火災の大きさによって後始末の方法は異なります。軽いボヤ程度であれば比較的被害範囲が狭いため自力で片付けることも可能です。しかし、半焼や全焼の場合、個人の力だけでは原状回復をするのは不可能ですので、業者に依頼することとなります。
早期に鎮火を行い被害を抑えられれば、不用品の処分や清掃のみで、自力での復旧も可能です。しかし火事であることには間違いなく、適切な処理が求められますので、わからないことは関係各所へ相談や、専門業者に清掃の依頼をしましょう。
火事が起きると壁や床が黒くなりますが、この黒くなる元が「煤(すす)」です。煤は焦げ臭さの原因でもあり、黒くなっている箇所を掃除するだけでは焦げ臭さは取れません。しかし、煤は粒子が微小で、かつ不溶性のため、ただ水ぶきするだけでは落としきることができません。
天井や壁の隅に付いた煤は、まずハタキやブラシなどで落とします。次に市販洗剤または業務用洗剤で黒くなっている箇所を拭き掃除します。雑巾に洗剤を吹きかけて拭きましょう。黒くなっていない部分は水拭きすることで焦げ臭さをとります。
煤を掃除する際は、天井→壁→床、階段であれば上から下に進めていきましょう。煤は非常に軽く舞いやすいため、煤は高い所から低い所に落ちます。また、壁の一部しか煤で黒くなっていなかったとしても、壁紙の大部分に小さな粒子が付着していますので、部屋全体をはたきで掃除しましょう。
煤掃除が済んだら部屋の消臭作業をします。焦げ臭い匂いは煤掃除をすることでほとんどとれますが、目に見えない煤が部屋の中に存在しており、それが焦げ臭さの元になります。掃除後は1週間~1ヶ月換気すれば、煤の粒子が外に出されるため、部屋の中から臭いの元の数が少なくなります。
それでも臭いがとりきれない場合は部屋全体を乾拭きするか、金銭的に余裕がありリフォーム可能であるなら、床や壁を張り替えれば煤が部屋内から完全に消え、臭いを取ることができます。
もし貴重品などを保管していた家具に火がうつっていた場合、中身まで焼けてしまっていないかなど確認しましょう。また、不用品の片付けや処分を行う前に貴重品はしっかりと回収しておくことで、間違って捨ててしまったというトラブルを回避できます。各種手続きや罹災証明書の発行に必要な書類等も回収しておきましょう。
燃えて使えなくなってしまった家電や家具、燃えかすなどの不用品を処分します。少量の燃えカスなら通常のごみと同じようにごみ捨て場に出せば回収してもらえますが、大量の燃えカスや粗大ごみは回収してもらえません。自分で一般廃棄物業者に回収を依頼するか処理工場などに持ち込む必要があります。
ただし火災ごみの処理方法は自治体によって異なっており、地域によっては無料で回収してくれたり一般ごみとして処理できることもあります。詳しくはお住いの自治体ホームページでご確認ください。
半焼ほどの被害規模になると自力でできることは限られるため、基本的に業者に依頼することになります。
壁など部屋が2~5割程度うっすらと黒くなっている場合、上記の掃除方法でも綺麗できます。しかし、範囲が広くなっているため、膨大な時間がかかってしまいます。時間をかけて掃除したにも関わらず、綺麗にしきれないケースも多いため、ハウスクリーニング業者などに煤掃除を依頼することがオススメです。
ボヤであれば清掃や換気などで臭いを消すことができますが、半焼の場合焼け焦げている箇所も多いため、個人の力だけではとりきるのが難しくなってきます。専門の業者に依頼して、消臭と除菌を行ってもらいましょう。有害物質も除去できるオゾン消臭という方法を使う業者が多いです。煤除去や火災現場の清掃と一緒に消臭を請け負っている業者もあるため、同じ業者に頼むことで手間やコストを削減できるでしょう。
火災箇所の原状回復をうため残置物を撤去し、内装を解体して燃えた箇所を撤去していきます。半焼となると火災箇所の損傷が激しく、焦げ臭さも掃除だけでは取れません。火事後のリフォームには専門の知識と経験、技術が必要になりますので、火災後のリフォーム経験がある会社を探し依頼しましょう。
家が全焼してしまった場合、片付けや清掃は個人で対応することはほぼ不可能です。依頼すべき業者も限られていますので、実際に依頼する業者を見極めてお願いしましょう。
解体業者に連絡し見積もりを出してもらい、実際に依頼する業者を決めたら、解体工事へと移っていきます。注意点として、解体工事が始まるまでに近隣住民やオフィスなどに挨拶を済ませておくことが大切です。解体作業中は騒音や振動、ホコリや解体作業者等の出入りによって周りに迷惑をかけることがあります。トラブルを起こさないためにも必ず事前に断りを入れておくことが求められます。
火災の廃材は特殊なもので、対応できる解体業者は多くありません。しかし、その分火災現場の解体のプロなので、手続き、処理、対応など、分からない部分も丁寧にサポートしてもらえますので、不安なことがあれば尋ねてみましょう。
解体業への依頼・解体工事と並行して、新たな自宅が完成するまでの仮住まいの手配も行っておきましょう。自宅が燃えてしまった場合、住み続けることはできません。仮住まい先としてあげられるのは主に「民営住宅」「公営住宅」の2種類です。
なお、契約している火災保険会社から仮住まいに入居するための補助金を出してもらえることもあります。自分たちの安全を確保するため、火災保険の確認や関係各所への相談が重要となってきます。
火災にあってしまった場合、精神的なショックはもちろんですが、金銭的な負担も大きいものです。大事な家屋や家財が燃えてしまっただけではなく、解体費用や新居の手配などに高額な費用がかかります。こうした費用の負担を軽減する方法として、火災保険や各自治体の廃棄物処理手数料の減免制度といったものがあります。
減免制度を利用すれば、火災によって発生した家庭ごみの処理費用が、全額免除や一部割引になる場合があります。なかには灰以外の可燃廃棄物を無料もしくは1割程度の金額で引き取ってくれる自治体も。他にも、市区町村役場・税務署への届け出をすることで固定資産税の減免を受けられます。 自治体によって制度の有無や内容が変わりますので、詳細はお住まいの自治体のホームページで確認、またはお問い合わせください。
なお、火災保険の請求や減免制度の利用には「罹災証明書」が必要です。罹災証明書は、火災など災害により被害を受けたことを公的に証明するものです。火災の場合は所轄の消防署から発行してもらえますので、火災にあってしまった場合は必ず発行してもらうようにしましょう。
煤掃除や消臭、不用品処分などの個人でできる火災後の後始末もご紹介しました。しかし、自力で行うとなると手間も時間もかかる上、場合によっては完全にきれいにならないこともあります。火災後は体力的にも精神的にも大きなダメージを受けています。自分たちだけの力で火災後の掃除や煤除去などの後片付けが難しいと感じた場合は、清掃業者に依頼をすることがおすすめです。
ボヤ程度であっても、業者に依頼することは問題ありません。自らの手で掃除をするよりも、綺麗に素早く煤汚れを取り除くことができます。また部屋全体の掃除や、消臭作業もしてもらえます。大きな火災の場合は解体工事から始まり、業者によってはリフォーム工事を請け負っていることもありますので、火災後の後始末をトータルで行っている業者に依頼すれば、各作業で業者を探して依頼する手間を省くことができます。
1.残置物の撤去、解体工事
2.煤除去
3.オゾン消臭+薬剤の噴霧
4.内装工事(リフォーム工事)
ロードの火災現場の消臭・清掃・復旧作業は、ボヤから大規模火災まで対応しております。数多くの実績を持っていますので、マンションや家屋の原状回復も最後までお任せ下さい。火災にあわれたとき、突然のことで少なからず動揺されていると思います。お困りのこと、不安なことがあれば、プロである弊社がサポートいたしますので、ロードまでお問い合わせください。
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配・・・などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP(繊維強化プラスチック)等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。