
高齢化の進みが著しい現在の日本では、誰にも看取られることなく発見までに日数を要する孤独死が増えています。新型コロナ感染拡大以降は、世界各国で孤立死・孤独死がこれまで以上に問題視されるようになっています。日本でも国として対策を掲げ、「孤独・孤立対策担当室」を設置し、孤独や孤立の問題に大臣を設けました。以前より社会問題であった「孤独死」が、新型コロナによる社会不安や対人関係の変化により、さらに問題が深刻化しました。
今回は東京都、埼玉県、山梨県の3都県での孤独死の現状や対策などについてみていきます。
孤立死・孤独死が社会問題と捉えられるようになってから久しいですが、その全国的な統計は未だありません。
東京都23区内のデータは死因不明の急性死や事故で亡くなった人の検案、解剖を行っている東京都監察医務院が公表しています。そのデータによれば、令和元年の単身世帯で自宅での死亡者数は5,554人。そのうち65歳以上は3,913人と、全体のおよそ7割を占めています。そしてその中でも65歳~79歳の男性の数が突出している形です。
立川市
安否確認用の専用ダイヤル「見守りホットライン」を設置、通報・相談を24時間体制で受け付けている。入電した通報は「高齢者」「子供」「障害者」や「身元不明」など対象者の属性に応じて、決められた担当課へ繋がれ、対応。通報内容や結果などを共有ファイルに記録し、全庁的に管理している。
また住民、市内団体や事業者の協力のもと「地域見守りネットワーク事業」を推進、日常の生活や業務の中で気づいた異変を連絡することで、地域から孤独を防ぐ取り組みが行われている。
墨田区
墨田区では区の「地域包括支援センター支援システム」の情報を、高齢者みまもり相談室(高齢者見守り相談窓口)、高齢者支援総合センター(地域包括センター)とオンラインで共有している。
高齢者みまもり相談室の職員が戸別訪問等を行う中で収集した連絡先や支援経過の記録は、随時入力。特に「サービスを利用していない」「一人暮らし」「要介護」などの「孤独死リスクの高い」人については、重点的に情報の収集と更新を行う。システムによる情報の共有化により、通報を受けてからの迅速な対応、庁内のスムーズな連携も可能となっている。
埼玉県における孤独死の正確な統計はありませんが、厚労省の死因統計「立会人のいない死亡」というカテゴリーの死亡者数から近似値(相似値)を知ることができます。これは死亡時に立会人がおらず、死因が特定できなかったケースを指しますが、孤独死であっても死亡原因が特定された場合は、当該数値から除かれています。2019年では、人口10万人あたり2.312人で、全国平均(1.75)よりも多い値となりました。
埼玉県は若い県と言われてきましたが、今後は全国トップクラスのスピードで高齢化が進行すると見込まれています。埼玉県の65歳上の人口は令和2年1月1日現在、1,935,733人 で、総人口に占める割合は26.2%、30年間で3倍以上になっています。今後も高齢化が進めば「孤独死」の件数も増えていく恐れがあります。埼玉県では、高齢者の生活を支える役割を果たす総合機関「地域包括支援センター」を各市町村が設置しています。
さいたま市
さいたま市では、支援が必要な状態であっても自らSOSのサインを出さない、あるいは出せない要支援世帯を早期に発見することが重要と考え、発見・通報のためのガイドラインを作成。さらに、支援が必要な世帯を早期に発見し、必要な支援に結び付けることが重要と考え、令和2年度に周知・啓発のためのリーフレットを作成。
また、要支援者を早期に把握し、孤立死・孤独死を未然に防止することを目的として、事業者と協力協定を締結している。
新座市
新座市では孤立死を防ぐ見守りネットワークづくりとして電気、ガス、水道などのライフライン事業者、新聞販売店、宅配などの事業者と、「新座市安心・安全地域見守り活動に関する協定」
を締結。事業者がご家庭を訪問された際に異変を感じたときは、市に連絡を入れるなど、事業者と連携した見守り活動を行っている。
山梨県も埼玉県と同様、孤独死の正確な統計はなく、厚労省の死因統計「立会人のいない死亡」の人数を見てみると2019年では、人口10万人あたり0.469人でした。なお、自宅での死亡者数は1,297人でした。
山梨県の人口は近年減少傾向にある一方、65歳以上の高齢者は249,709人(令和2年4月1日現在)で、前年よりも増加しています。同時に高齢者の単身世帯も増加しており、高齢者の孤独死リスクが高まっています。
山梨県では、地域において支援を必要とする者を把握し適切な支援を行うため、市町村等に対して、民生委員・児童委員及びライフライン関係事業者等との連携により地域における情報の共有や見守り体制の構築を行うよう依頼している。
「孤立死・孤独死対策事業」として民間事業者と連携を図り、生活困窮や病気になった人を行政の適切な支援に繋げ、孤立死・孤独死等の未然防止に努める。これまで民間事業者と締結した「地域見守り活動に関する協定」に基づき連携を図っている。
孤独死と思われる状況で、倒れていて動かないという場面に立ち会わせた場合はどのようにすればいいのでしょうか?
亡くなっているかどうかの判別がつかないときはすぐに救急車を呼びましょう。救急車が到着したら救急隊員が生死を確認、存命ならば病院への搬送を、亡くなられている場合などは警察への通報を、などといった処置をしてくれます。
発見した時に明らかに亡くなっている場合は警察に連絡します。発見者が大家さんなどの管理者であれば、次に家族や保証人などに連絡をしましょう。警察が到着した後は現場検証が行われますが、この時は住宅管理の関係者をはじめ部外者は立ち入ることはできません。なお、家宅捜索も行われて金品などは一時的に没収されます。
孤独死をされたしまった方がアパートなどの賃貸物件に住まわれていた場合は、部屋の原状回復をしてから物件を返却しなければなりません。孤独死の現場は異臭や血液、体液など通常の清掃では落とすのが難しい汚れや匂いがついていることがほとんどです。さらに異臭に引き寄せられた害虫などが発生していたり、感染症など健康被害を引き起こすリスクもあります。
孤独死の状況や孤独死をしてから発見までの経過日数にもよりますが、上記でも述べたように孤独死の現場は想像以上に壮絶な状態となっていることが多いです。
孤独死の現場の清掃は技術的な観点からだけではなく、健康被害や精神的ダメージの部分からも個人の力だけで行うのは厳しいとされています。そのため、基本的には特殊清掃を請け負っている業者に依頼することになります。
特殊清掃とは事故や自殺、孤独死の現場、ゴミ屋敷など、通常の清掃では対応しきれない汚れを落として原状回復をする清掃のことです。扱うのに知識や技術を要する薬品や機材、匂いや汚れを完全に取り除くための施工などが必要となることがほとんどのため、特殊清掃はプロである業者に依頼することがオススメされます。特殊清掃業者は遺品整理も同時に請け負っていることが多く、特殊清掃と遺品整理を一括して依頼するケースも多いようです。
【特殊清掃業者が行う施工例】
消毒剤の散布
汚染物の除去
床の解体
壁紙や床材の張り替え
特殊コーティング
吐血現場の清掃
浴槽の清掃
孤独死など、特殊清掃や遺品整理が必要になる場合は、突然の事で動揺されていると思います。「どう対応すれば良いか分からない」「緊急を要するけれどどこにお願いすればいいか…」とお困りであれば、当社までお声掛けください。清掃、消臭、除菌作業はもちろん、部屋の片付け、不用品の処分、リフォームの手配などトータルでのサービスを提供しております。突然の死に直面し、不安を抱えたお客様に安心してお任せしていただけるような対応と作業をさせていただいております。
特殊清掃・遺品整理について疑問点やお困りのことがあれば、株式会社ロードまでお問い合わせください。
(参考サイト)東京都福祉保健局|高齢者等の見守りブック
(参考サイト)東京都監察医務院|東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計(令和元年)
(参考サイト)埼玉県
(参考サイト)山梨県
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配・・・などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP(繊維強化プラスチック)等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。