
新型コロナウイルスの感染拡大で孤独・孤立化が深刻となっています。そうした中、政府は孤独・孤立対策担当室を設置。孤独や孤立の問題に大臣を設け、国として対策を掲げるのは、英国に次いで世界で2ヵ国目です。以前より社会問題であった「孤独死」が、新型コロナによる社会不安や対人関係の変化により、より問題点が浮き彫りとなった形です。
孤独・孤立はコロナ禍で外出自粛や休校が長期化し、先進国を中心に問題視されるようになりました。日本でも孤独を感じたり、社会から孤立したりする人が増えており、政府は2020年の自殺者数が11年ぶりに増加したのも、外出自粛などコロナ禍でのストレスなどが一因とみているとのこと。また、新型コロナ感染症が認知されて以降、孤独死の現場の特殊清掃の相談件数が増加傾向にあるという業者が多々見られています。
特殊清掃業者にとって、この梅雨の時期から夏の時期にかけては繁忙期となると言われています。それは熱中症による死が相次ぐためです。屋外で発生するイメージのある熱中症ですが、室内でも屋外と同じ条件で発生しており、その数は熱中症全体の3割から4割とも言われます。
そしてこの時期は、特殊清掃の現場において遺体の発見日数がより重要となります。それは遺体の腐敗が通常より早く進むためです。
遺体が放置されると、当然ながら腐敗が進行し、腐敗臭いわゆる「死臭」が発生します。死臭は非常に強烈な悪臭で、死臭がするということから孤独死の遺体が発見されることもあるほどです。
人間の体内には、常に微生物やバクテリアなどの細菌が住み着いています。生きている間は免疫作用が働いているため、増殖することはありません。しかし、死亡し免疫作用がなくなると細菌は一気に増殖します。増殖した細菌が遺体を分解することで腐敗が始まり、死臭とよばれるガスが発生します。
死臭は、一般に、夏場であれば2~3日、冬場でも5~7日程度で発生するといわれています。そして、死臭が発生してから数日経つと「腐敗」と呼べる状況になります。夏は数日、冬は最長1カ月、平均2週間で腐敗するとされています。ただ、死臭の発生や腐敗の進行は、
1)クーラー・扇風機・その他の冷房をつけていたか
2)直射日光の当たる場所だったか
3)夏の気温が高い地域だったか、低い地域だったか
などの状況によって、変わってきます。
死臭は極めて強烈な臭いで、なかなか消えてくれません。さらに、長期間放置されてしまうと、以下のような二次被害が発生する可能性があります。
①部屋中に臭いが染み渡る
強烈な臭いである死臭は、一度染み付いてしまうと簡単には取れません。さらに遺体から流れ出た体液自体が強烈な死臭を醸し出し、床や壁についてしまえば、後述のような工事が必要となります。
また、死臭は遺品にも移ってしまいます。死臭がついてしまった遺品や形見の品は「本当に必要なもの」だけを保存し、あとはすべて処分することが奨励されています。
②隣の部屋にまで臭いが移る
死臭は強烈な悪臭で、かつ臭いが移りやすいため、隣の部屋にまで臭いが移ってしまうことがあります。近くで人が亡くなっていたということは精神的に大きな負担となることが多いですし、臭いが隣の部屋に染み付いてしまった場合、トラブルに発展してしまうこともあります。
③ハエやウジが発生する
死臭はハエやウジの発生の原因にもなります。死臭に引き寄せられたハエが換気扇などの隙間から侵入し、遺体に卵を産み付けます。産み付ける産卵数は、1回で50~150個ほどとされており、なんと1日足らずでウジに孵ります。遺体を食べながら約2週間で成虫へと進化し、腐敗している場所に卵を産みつけて増殖していき、さらなる悪臭を生み出すという悪循環が起こります。
④リフォームの必要がある
肉体が腐敗すると、死臭だけではなく、体液が流れたりもします。体液が床や畳に染み込むと、それ自体に強烈な死臭がこびりつき、見た目にも大きな影響を残します。また、床材の腐敗につながることもあり、体液の染み込んだ箇所を取り除く処置が必要となります。場合によっては階下の天井から体液が垂れてくるという事態もありえます。
孤独死の現場の清掃は、健康被害への二次被害や心理的負担が大きいという観点から特殊清掃業者に依頼することがほとんどです。また、死臭や体液の除去には、特殊な機器や専門知識を要するため個人の力だけで完全に取り除くことは難しいです。
市販されている芳香剤や消臭剤を使っても、消臭効果はほとんどありません。業者が使用している薬剤を購入することも可能ではありますが、薬剤の刺激が強く、取扱いに注意が必要となりますので、業者に依頼するのが安心です。
業者が使用する薬品や機器は様々です。下記は、ロードで使用する機器の一部です。
【オゾン機】
高性能なオゾン脱臭器。連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
【フォグマスター】
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
【複合二酸化炭素】
高い消臭力・除菌力に加え、即効性も高い薬品を散布で除菌して感染を防ぎます。
孤独死にともなう死臭の除去は、ほとんどのケースで「消臭工事」が行われます。上述のように、体液が床下や柱までしみ込んでしまっている場合、消臭剤の散布だけでは臭いは取れません。必要に応じて壁紙やクロスなどあらゆるものを張り替えたり、染箇所を切り取り同じ厚さのベニヤ板で補修などを行います。
同じように、匂いが壁の多く深くまで染み込んでいる場合も、壁紙だけでなく、中のモルタル(石膏ボード)や床下のコンクリートなども交換したり、削り取る作業が行われることも。何度も洗浄した上でコーティングを施し、上から特殊な防臭剤を塗布することで、臭いを閉じ込める施工も行われています。
これから気温が上がります。例年の事ですが、特殊清掃のご依頼が増えてきてしまう時期になります。特殊清掃ロードでは緊急な対応を出来るようにしておりますので、もしご家族様や管理物件などで孤独死がありましたらご一報ください。弊社での事例についてはこちらからご覧いただけます。→【腐乱臭の特殊清掃】
特殊清掃・遺品整理について疑問点やお困りのことがあれば、株式会社ロードまでお問い合わせください。
弊社では、お見積もり後すぐ作業できるように、作業道具を車に詰め込んで現場にお伺いします。
そのため、遺品整理ほどの荷物の撤去がある場合を除き、ほとんど特殊清掃は行えます。
深夜だから音が心配・・・などもきちんと配慮し、オゾンを設置して、ある程度脱臭しておく等の処置を致します。
高性能なオゾン脱臭器。
連続使用が可能なため夜なども作動させておくことができます。
様々な現場の状況に合わせた薬品を使い分けており、濃度の高い二酸化塩素を中心に活用しております。
電気が通じない部屋では手動噴霧器を使用します。
ほとんど目に見えない超微粒子で、消臭除菌液を空間噴霧可能となります。
他にも、布団圧縮袋・マスク・防護服・キーボックス・防水材・FRP(繊維強化プラスチック)等も持って行きます。
突然のことで急いで連絡して「状況を教えて」と言われてもショックでなかなか部屋に入ることができないと思います。そのため、現場の状況確認ができなくてもスタッフが現場まで伺い、状況を把握した上で明瞭なお見積りをさせていただきますので、無理をしてお部屋の確認に行かなくても大丈夫です。
どんな状況でも対応させて頂きますので、私達にお任せください。
突然の死を目の当たりにして、どうしていいかわからない状態も非常に辛いことです。
私達、特殊清掃員がご遺族様になり代わって現場の原状回復をすることで少しでも
ご遺族様の負担を軽くしてあげたいと思っております。
過去1,000件以上の業務で得た技能と経験値をもとに、ご遺族の方々が安心して
任せることができるという信頼を得るために、最大限の努力と精進をしております。